ランド 世界を支配した研究所

ランド 世界を支配した研究所 (文春文庫)

ランド 世界を支配した研究所 (文春文庫)

原題のSOLDIERS OF REASONの方が本質をついている。

感想

軍や政府がモノではなく、考え方・数式・ソフトウェアという見えないモノ「システム」に大きな予算を投じる所に感心した。

古くは空母のダメージコントロールシステムに始まり、アメリカがシステムに強いのには理由があるようだ。

琴線に触れた箇所

  • 黒板のことでもさんざんもめました。すべてのオフィスに黒板を置くという概念すら、最初は飲み込めなかったのですよ!(中略)「この人たち(ランドの人たち)はいったい何なの?紙には書けないとでもいうの?」(中略)もちろん、ランドのみんなはチョークを四色使いたかったから、二本では足りませんでした。チョークについてはずいぶんと騒ぎ立てました。
  • ランドの新規プロジェクトはいわゆる「殺人委員会」の審査を受けた。(中略)そこではランダイトが同僚のアイデアを批判し、粉砕することに喜びを見いだしていた。
  • 空軍はランドの研究成果をうまく使って、強情な議会を説得することで、空軍の予算を増やし、より新しく、より性能が良く、よりかっこいい兵器を購入したかったのだ。
  • 「我々がやりたいことは、理想的には君たちの爆撃機の模型をロシアへ送り込む実験することです。(中略)ただし、これをやるにしても、協力がなかなかえられないのです」